Last Updated on 2018年8月15日 by Nuys
甲状腺疾患は女性に多い
実は俺、甲状腺機能低下症を患いました。
ですが、幸い機能の低下が緩やかで投薬も通院も無しでなんら変わらない日常を過ごしているわけです。
まず、体の異変に気付いた時の話から。
眠れない日々
何故かなかなか眠れない、寝付けない日々が続いていたが
自覚症状としてはなんとなく動悸がする、くらいで放置していました。
※いきなりホラーではなく不眠のイメージです
すぐ治まるだろうと思っていたのも束の間、最終的には朝仕事に行くことも躊躇するほどの動悸が。
その日は仕事を休んで病院に行くことにしました。
病院での検査
その日は金曜日。
問診票に記入し、しばらくして診察室へ呼ばれます。
症状を説明し、とりあえず脈を測ることに。
すると担当の先生が
先「hariyaさん、見てください。脈拍が160あります。走ったり運動しない限りこの脈はおかしい。」
先「栄養ドリンクとか飲みました?」
脈の速さに驚く先生。
確かに疲れているだけと思っていたので飲んではいたが、それでも脈が速すぎる。
通常安静時の脈拍は70程度。
先「血液検査しましょう。」
そして採血し翌日の朝結果を聞きに来院する予約をし、一旦帰宅。
特に血液検査前ということもあり診断はされなかった。
だが俺は鍼灸師として医療に携わる人間。1つの病気が頭をよぎった。
バセドウ病…?
帰ると妻が心配している。
自分がバセドウ病かもしれない。でも死ぬ病気ではないよ、と伝えた。
検査結果
土曜日。
昨日診察してくれた先生は土曜の診察はしておらず、俺の検査結果を伝えるためだけに来てくれていたようだった。
先「hariyaさん、バセドウ病かもしれないね」
(あーやっぱりそうか・・・。)
先「とりあえず薬を飲んで、数値を落ち着かせようか。」
俺「はい。ですが、子供もまだ小さく、妻も心配していますので大学病院に紹介状を書いていただけませんか?」
症状から見れば、バセドウ病濃厚だが紛らわしい病気もあるので一応。
先「わかりました。予約日いつにしましょう?」
嫌がられるかとも思ったが、結構すんなり書いてくれた。
とりあえずはメルカゾールを処方され、当分飲むことになった。
結構副作用がきついので、薬剤師さんは丁寧に説明をしてくれた。
大学病院へ
町の病院でバセドウ病と診断されてから一か月。
大学病院で再度検査。
血液検査や甲状腺のエコー検査を終え診察室へ。(簡単に書いてますが、患者さんでごったがえしておりかなり時間と労力を使いました)
先「脈は落ち着いてきてますね。調子はどうですか?」
俺「動機がなくなったので、なにも問題なく過ごせています。」
先「よかったです。hariyaさん他の病気の可能性も捨てきれないんです。」
(やっぱり・・。紹介状書いてもらってよかったぁ)
先「というのも、バセドウ病と紛らわしい無痛性甲状腺炎という病気があります。この病気は、橋本病というバセドウとは正反対の病気が引き金になることが多いです。」
説明してくれる先生
甲状腺機能亢進症ことバセドウ病はなんらかの原因(原因は不明)によって甲状腺ホルモンが大量に作られ、それにより動悸や手指の震え、疲れやすいなどの症状がでる。(人により症状は様々)
無痛性甲状腺炎とは甲状腺ホルモンがつくられるのではなくなんらかの原因によって甲状腺が破壊され、血液中に甲状腺ホルモンが大量に流れ出る病気だ。
大きく違うのは、無痛戦甲状腺炎は一過性で、橋本病が原因となっていることが多いということ。
ということはもし無痛性甲状腺炎だったとしたら、当然副作用のきついメルカゾールは飲まない方がいい。
何らかの原因によって甲状腺ホルモンが大量につくられるバセドウ病には有効だが、一時的に甲状腺自体が破壊され血中に流れ出ている無痛性甲状腺炎には危険。
そこで、どうすればいいか尋ねたところ
「hariyaさん次第だが、今飲んでいるメルカゾールを飲むのをやめる。」
「メルカゾールを断って再発するようならおそらくバセドウ病。しかしこのままの状態をキープするなら無痛性甲状腺炎だった、ということです。」
全く収まらない動悸のしんどさを経験しただけに少し怖かったが、バセドウ病ではないにも関わらずメルカゾールを飲むのはよくないと思い、飲むのはやめた。
メルカゾールをやめてから
二か月後、二度目の大学病院。
診察前に検査を終わらせていざ診察室へ。
待ち構えていた先生。
先「hariyaさん、変わりないですか?」
俺「はい。全く問題なくいつも通りです。」
先「そうですか。やはり、バセドウ病ではなかったみたいですね。」
俺「無痛性甲状腺炎だったということですよね。」
先「はい。血液検査の結果を見ると、もともとは橋本病でそこに無痛性甲状腺炎が起こったということです。」
俺「ということは、今度は甲状腺ホルモンを補う薬が必要ということでしょうか?」
先「いえ、hariyaさんのケースだと、甲状腺機能低下は緩やかなのでその必要はなさそうです。この調子でいって、もし体調がすぐれなくなってから血液検査、というやり方で十分です。2、3年に一度くらい血液検査してもいいかもしれません。」
俺「わかりました。ありがとうございます。」
結果バセドウ病ではなく、正反対の橋本病だった
動悸という自覚症状から始まった通院。
最初の診断から一転全く逆の病気だった。
甲状腺機能低下症なのに、機能が亢進症する無痛性甲状腺炎の発症がややこしくさせていました。
結果、無痛性甲状腺炎を発症したから自分が橋本病ということが発覚したのです。
でも橋本病に関しては自覚症状ないし・・・。
発覚してよかったのか悪かったのかわからん。気持ち的に。
異変を感じたあの日から一年とちょっと経ちますが、特に異常はありません。
自分を大切に
この記事を通して伝えたいことは、別の医師の診察を受ける大切さ。
まぁ大学病院に行かなくても、担当の先生がいずれ気づいていたかもしれませんが。
俺の場合は大学病院には行きましたが、これから先橋本病が悪化したなと感じればまず最初に診てもらった病院へいきます。
最初に診てもらった先生にセカンドオピニオンを相談しましたが、セカンドオピニオンは保険が効かないんです。実費です。
なので普通に診察を受けた方がいいよとのことでした。
確かに、かかりつけ医に他の医者を紹介してくれというのは言いにくいことかもしれない。
でもやっぱり自分の体は大事です。
不調や異変があるけど病院へいってもなにもわからない、医師の診断に違和感がある場合は別の病院を受診してみてください。
もし病院にいっても原因不明な不定愁訴があるなら、お近くの鍼灸院にご相談ください。
きっとお力になれます。